【実録】相続した空き家の活用②|戸建賃貸化実現とリアル収支公開

不動産・実家賃貸

空き家放置から一転、多岐にわたるプロセスを経て賃貸化への準備が整いました。(詳しいプロセスについてはこちら

不動産会社と協議の上、設定した募集条件は以下の通りです。

・家賃:132,000円
・敷金:528,000円(4か月分)
・礼金:132,000円(1か月分)

管理費7,260円(家賃の5%+税)と振込手数料110円、合計月々7,370円が固定費として差し引かれます。

270万円の適法化コストをかけ、市長への報告書提出も終えてようやく賃貸募集のスタートです。期待よりも不安が大きく、長期にわたり借り手がつかない最悪のケースも想定していました。

募集開始からわずか2日で内見希望

募集開始からわずか2日後、不動産会社から内見希望の連絡が入りました。レインズ(不動産流通標準情報システム)への登録前のタイミングです。

賃貸運営は初めての経験。あまりの話の早さに半信半疑になった私は、不動産会社任せにせず直接お会いして判断することにしました。

内見希望者は事業者だった

内見に来られたのは、障害者向けデイサービスを運営する事業者の方でした。もともとの拠点が移転を余儀なくされ、立地と間取りが条件に合う物件を急いで探していたとのことです。

当初、私は一般の個人入居者を想定していました。しかし実際に来たのは法人テナント。法人契約は個人に比べて支払い能力や契約期間の安定性が高いメリットがあります。一方で、住宅地での事業活動が周辺環境に影響を与えないか、慎重な判断が必要でした。

契約前に確認した2つのこと

契約の判を押す前に、私は2点を直接確認しました。

① 過去に近隣トラブルがなかったか
過去の運営実績に基づきトラブル皆無であることを明言してくれました。

② 入居に際し、近隣住民へ説明をしてもらえるか
近隣への説明は言われるまでもなく行うつもりだったとの返答でした。

これらの回答に加え、お話しする中で伝わってきた事業継続への熱意と社会的使命感。それが最終的な決断の後押しになりました。

事業パートナー選びの重要性を、改めて実感した瞬間

後に分かったことですが、このスピード感と質の高い入居は運だけではありませんでした。普段から顧客の信頼を積み上げていたこの不動産会社に、福祉事業者が真っ先に相談していたこと。そして準備を全て整えた上で私に話を持ちかけてくれたこと。平時から各所とのパイプを維持し、入船から通関までを最短でこなす乙仲(フォワーダー)の仕事と、私の中では自然とシンクロしてしまいました。

リアル収支の公開|入居から8年

入居から8年が経過、その年間収支を公開します。

項目年間(円)備考
家賃収入1,584,000月額132,000円
管理費▲87,120家賃の5%+税
固定資産税▲160,000
修繕費▲140,0008年間の平均
手残り概算1,196,000税引き前キャッシュフロー

年間手残り概算は約120万円(税引き前)。270万円の改修費も、この収支なら約3年で回収できた計算です。逆キャッシュフローを垂れ流していた空き家時代と比べれば、劇的な改善です。

ここまでのフローチャート

賃貸募集から稼働開始とキャッシュフローを以下のフローチャートにまとめています。

賃貸募集から収益化までのフローチャート

資産稼働開始、そして社会インフラとして

入居後8年間、近隣からの苦情は一度もありません。借り手の方は地域の清掃や行事にも参加され、近隣の信頼を着実に得ています。

キャッシュだけではない付加価値

物流業界において冷凍倉庫は、国家の食料安全保障を支える重要なインフラです。その自覚が、現場での社会的使命感につながっています。これと同じように、この物件が福祉という形で地域に貢献しているという事実は、安定したキャッシュフロー以上の収穫でした。

270万円の先行投資と行政対応を経て、空き家を稼働資産へと整備した判断は正解でした。この経験は、私の資産管理における大きな指針となっています。

次の記事では、このプロジェクトを支えてくれたプロフェッショナルたちについて書きます。→こちら

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