■ e-taxに切り替えて5年、それでも毎年不安だった
家賃収入が入るようになって8年。今年で8回目の確定申告になります。最初の頃は準備不足のまま税務署に飛び込んで3回通うことになり、期限も過ぎてしまいました。その経緯は「初めての確定申告|失敗談からe-tax移行まで」にまとめています。
紆余曲折を経てe-taxに切り替えてから5年が経ちました。
e-taxに切り替えた当初は、画面遷移でループにハマり一度断念した経験があります。確定申告という重要な手続きだからこそ、一つひとつの操作や選択肢に確信が持てないと次へ進む心理的ハードルが上がります。当時AIがあれば、画面を見せながら確認しながら進めることができたはずです。
使いこなせるようになってからも、別の悩みが残りました。「やり方を覚えたはずなのに、1年経つと全部忘れている」。必要な書類や数字を手探りで確認しながら、毎回どこか不安を感じながらの作業でした。
■ 今年はAIに確認しながら進めてみた
今年は確定申告に最新のAIを活用してみることにしました。
e-taxの画面や作成途中の書類のスクリーンショットをAIに見せながら、一画面ずつ確認を取りながら申告書を作成していきました。
物流の現場で言えば、作業指示書を一項目ずつ照合しながら進める感覚です。「前にやったから大丈夫」ではなく「今この画面は正しいか」を都度確認する。この作業スタイルが、思わぬ発見につながりました。
■ 5年間気づかなかったミスをAIが発見した
令和5年分の収支内訳書がファイルに残っていたので、それをベースに今年の数字を当てはめて入力、毎年提出しているデータであり、特に疑いもせず進めていました。
問題が起きたのは「賃借人」の欄です。そこにはなぜか自分の名前が書かれていました。
その画面をAIに見せたところ、指摘が入りました。「賃借人があなたの名前になっています。実際に建物を借りている人の名前を入力してください」と。
つまり私は、e-taxを使い始めてから約5年間、ずっと賃借人の名前を間違えて入力し続けていたことになります。物流現場でも一度チェックを通過した貨物は再度検数をとることはほとんどありません、もしそこにミスがあった場合、そこに気付くタイミングが大幅に遅れることになります。私の場合5年という歳月を経て、やっと気づけました。これは完全に自分の確認不足です。
■ 「前と同じだから大丈夫」という思い込みの怖さ
冷蔵倉庫の現場で23年以上働いてきた経験から言えば、「いつもの貨物」ほど変化に気づきにくく、思い込みでミスをしてしまいます。一方で「新規の貨物」であれば、規格や荷姿、重量など取得可能な情報をすべて確認し、入力データと現物に差異がないかを丁寧にチェックするものです。
確定申告も同じでした。8年間やってきたという経験が、むしろ確認を怠る原因になっていた。「前と同じだから大丈夫」という感覚が、ミスを5年間見えなくしていたのです。
■ AIを使うことで「見落とし」に気づけた理由
今回の件で感じたのは、AIには人間にない強みがあるということです。
過去の入力パターンに引きずられない。「前回こうだったから」という先入観がない。フラットに目の前の内容だけをチェックする。
人間は経験を積むほど「パターン認識」で処理するようになります。それは効率化である一方、異常を見落とすリスクでもあります。AIはそのパターン認識のバイアスを持たない。異なる視点から確認することで、自分だけでは気づけなかったミスが浮かび上がってきます。
■ AIだけに頼らず、ケースによっては専門家に
ただし、すべてのケースでAIだけに頼るのは危険です。
事業収入があり仕入れと売上が複雑に絡む場合、経費の項目が多い場合、節税や申告方法の判断が必要な場合は、専門家への相談が必要です。

確定申告についてはオンライン予約が必要ですが税務署での相談も受け付けています。また基礎的な手順やQ&Aも確認できるので、まずは国税庁HPの該当ページを確認することをおすすめします。
一方、私のケースのように不動産収入がメインでシンプルな構造、勘定項目が比較的分かりやすい、固定費中心で変動が少ない場合は、AIを補助ツールとして活用しながら十分対応できると感じています。
大切なのは、自分の収入構造の複雑さに応じて手段を選ぶことです。AIは便利なツールですが「最終判断は自分で行う」という前提は忘れないようにしています。
■ まとめ
8年間の確定申告経験があっても、5年間気づかなかったミスがありました。「前と同じだから大丈夫」という思い込みが、見落としを長期間放置させていた原因です。
確定申告のようにルーティン化しやすい作業こそ、一度AIと一緒に見直してみる価値があると感じています。ただしAIはあくまで補助ツールです。自分の収入構造の複雑さに応じて、必要であれば税理士やFPへの相談も検討してください。


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