メディアの報道と、現場の体感が違う件
「物価は上がるのに、給料が追いつかない」
このフレーズ、ここ数年で何度耳にしたでしょうか。
確かに統計上はそう見える局面もあります。しかし物流業界の管理職として現場に立ち続けてきた私の体感は、少し違います。
ここ数年、周囲の賃金は確実に上がっています。若い世代ほどその恩恵を受けており、数年前には考えられなかった水準の給与を手にしている若手社員を見ていると、日本の経済は静かに、しかし確実にフェーズが変わりつつあるように感じます。
統計の「平均値」は、業種・雇用形態・地域によって大きく引っ張られます。自分の目で見える景色を信じることも、投資判断において大切な情報源だと私は考えています。

金融庁が動いた。つみたて投資枠に新指数が追加
2026年4月1日、金融庁が新NISAのつみたて投資枠の対象となる株価指数に、新たに2つの国内指数を追加しました。
• 読売株価指数(読売333)
• JPXプライム150指数
これまでつみたて投資枠で選択できる国内株指数は、日経平均・TOPIXなど4種類に限られていました。今回の追加は、2026年度税制改正関連法の成立を受けた告示改正によるもので、日本株インデックス投資の選択肢が正式に広がった歴史的なタイミングです。
2つの指数、何が違うのか

読売333は、読売新聞社が公表する指数で、国内上場企業から時価総額・流動性を考慮して選定した333銘柄を均等比率(約0.3%ずつ)で組み入れます。
日経平均は値がさ株(1株の株価が高い銘柄)の影響を受けやすく、半導体関連など特定セクターが動くと指数全体が大きく動く構造です。読売333はその偏りを是正し、より広い日本経済の動きを映す指数として期待されています。
JPXプライム150は、東証プライム市場の時価総額上位500社の中から、「稼ぐ力」のある150社を厳選した指数です。選定基準は2つ。
• 収益性:ROEが投資家の期待を上回る上位75社
• 将来性:PBRが1倍超の企業から時価総額上位75社
年1回の定期入れ替えにより、収益力が落ちた企業は外れ、成長力のある企業が入ってくる。物流で言えば、常に積載効率の高い荷物だけを積み続けるような設計です。
私が「日本は有望株」と判断する理由
投資に絶対はありません。これはあくまで私個人の見立てです。
それを前置きしたうえで、私は現在、日本株への比重を少しずつ高めています。理由は3つあります。
① 賃金上昇が実態を伴い始めている
現場で見ていると、特に若い世代の賃金は数年前と比較して明らかに水準が上がっています。これは消費の底上げにつながり、内需型企業の収益改善を下支えする力になります。
② 国内投資加速の政策的な後押し
現政権は国内への設備投資・産業育成を重点政策に掲げています。アベノミクスが「金融緩和で株価を上げる」アプローチだったとすれば、現在はより実体経済への投資を促す方向性にシフトしつつあります。これが日本企業の稼ぐ力の底上げに寄与するなら、JPXプライム150のような「収益性重視の指数」との相性は非常に良いと考えています。
③ 海外からの視線が変わりつつある
コーポレートガバナンス改革、PBR改善要請、東証の構造改革。これらはロジスティクスの世界では不断に実施すべき業務の最適化に他なりません。日本企業、そして日本政府がようやく本気でその最適化に取り組み始めた結果、海外投資家の関心は確実に高まっています。その流れはまだ途上であり、本格的な評価はこれからと私は考えています。
④ アナリスト予想を超えた株価の動き
証券会社のアナリスト予想は通常、慎重な前提条件のもとで算出されます。野村證券は2026年末の日経平均予想を段階的に上方修正し続け、直近では60,000円に引き上げました。しかしその予想はすでに現実に追いつかれています。
野村證券「2026年末の日経平均株価予想を60,000円に上方」
注目すべきは、この上昇が値嵩株だけに偏っているわけではないという点です。トランプ関税に代表される外圧による一時的な株価停滞はあるものの、それを除けば日本株全体の底上げが進んでいるように見えます。
楽天証券の試算では、東証プライム市場のEPSが年率6.5%増加するシナリオで2030年には7万円超に到達するとしています。そのドライバーは海外事業の利益成長、インフレ定着、そして自社株買いの継続です。これらはいずれも、私が物流現場で感じている「日本企業の変化」と重なります。
アナリストの予想が現実に追いつかれるペースで株価が動いているとすれば、2030年7万円という数字は通過点に過ぎない可能性もあります。もちろん短期的な調整はあり得ますが、長期の方向性として日本株の上昇余地はまだ残っていると私は考えています。
つみたて投資枠で「日本応援」という選択肢

今回の指数追加により、JPXプライム150・読売333に連動するファンドが今後つみたて投資枠で購入できるようになる見通しです。(2026年4月時点では各運用会社のファンドがつみたて枠対応の審査を経る段階のため、実際の購入可能時期は証券会社の対応状況をご確認ください。)
S&P500やオルカンで世界経済に乗りながら、JPXプライム150で日本の稼ぐ力にも乗る。それは「応援」でありながら、収益性の高い企業を厳選するという合理的な判断でもあります。
月1万円からでも始められる積立投資として、ご自身の判断で選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。



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